秋桜

皆さんはどんなお花がお好きですか。
豪華な「蘭」やあでやかな「牡丹」「芍薬」「バラ」といった大輪の花から、
野菊・チングルマ・ネジバナなどの身近で控えめな山野草まで千差万別ですね。

プロポーズに使う一世一代の花束も、誕生日や退職の際の花束も、
贈る側・贈られる側の想いがこめられ、心にいつまでも残ります。

私は日常の生活の中で、庭先や花瓶の中から優しく8196edf6721afb20927b06da2b26a8a8_t.jpg
癒してくれる花ももちろん大好きですが、
「その場所に咲いていてこそのお花」にもとても心惹かれます。この時期ですと、まず一番に思い浮かぶのがコスモスです。夏から秋にかけて身近なところで割とよく目にしますが、郊外に出かけた際など、この花を見かけると「秋の訪れ」を感じ、少しセンチメンタルな気分になります。

「秋桜」の文字がぴったりのこの花は、春の主役「桜」とは正反対、さながら名脇役の感が漂います。特に秋の七草の代表「ススキ」の群生の脇で、はかなげに咲くその姿は、優しく季節の移ろいを教えてくれる感じがします。ススキの色彩がこれからの季節の厳しさを思い起こさせるなら、コスモスは「大丈夫、少しずつ冬に備えてくださいね。」と言った優しさを感じるのです。
花言葉は「まごころ・調和・謙虚」だとか・・・大和なでしこのような花なのですね。

頼りなげな印象ながら秋晴れの空に凛とたたずみ、一挙に秋色に染まるのをやわらげ、
目にした人をふっと優しい気持ちにさせる、素敵な存在だと思うのです。

名脇役の小さな花たちのように、さりげなく誰かを癒せる存在になれたら・・・
そんなささやかな目標を胸に優しい気持ちで日々過ごしていきたいものです。